とりとめない話㊲ 凍ったおにぎり

とりとめない話

 立春を迎え温かくなってきた。その前は寒気団がやってきて、西日本は大雪、東日本はとても寒い日が続いた。冷蔵庫より冷えていると思われる街を歩きながら、30~40年前に読んだ「八甲田山死の彷徨」(新田次郎作)を思い出した。古い記憶なので、記憶がどこまで正しいのか。また、高倉健、北大路欣也主演の映画も観ていて、そちらにあったものか。あるシーンを思い出した。

凍ったおにぎりを投げ捨てる

 神田大尉(北大路欣也)が率いる連帯は、冬の八甲田山演習で遭難をしてしまう。小説はその背景、経緯を丁寧に描いている。遭難に至る過程で食事休憩とった際、凍ったおにぎりを隊員が捨てる場面があった。「こんなもの食えるか」と。その隊員は冬山を甘くみていた。また経験もなく、本来なら参加させるべきではなかった。隊にはこのような人が多くいた。冬山の厳しさを知っている少数の隊員は、食べ物を身体につけて行動していたので、すぐに食べることができた。そうした知恵、経験のなかった隊員は、ザック内に食べ物入れていたので凍ってしまい、食べることができなかったわけだ。

通常とは異なる状況だから

 冷静に考えるなら、凍ったものをその場で食べられなくても、しばらく身体で抱いて行動していれば、時間の経過で食べられただろう。でもそんな簡単なことができなかった。その冬は記録的な寒波となり、また疲労も重なり、普段とは違った状況に置かれた。厳しい環境におかれると、当たり前の判断ができなくなる。

大切なものの判断を誤る

 なぜ、凍ったおにぎりを投げつけたシーンを思い出したのか?それは普段の生活で、そうしたい気持ちになることに気がついたから。 政治、経済、国際情勢。ネガティブな話題には事欠かない。それでも、今この瞬間、日本で生きていることはとても幸せであると思う。このままで良いと言っているのではもちろんない。ただ、めぐまれている状況にいながら感情的に否定してしまう傾向があることに気づいたからだ。木枯らしの中、たまたまだけど。

感謝の気持ちを

 さまざまなところで、場面で言われているように、日々感謝の気持ちを持つことの大切さ。それをあらためて噛みしめてみる。

ところで

 その時食べられないおにぎりではなく、カブの話。下がった株(式)を塩漬けにするという話がある。この場合は、必ずしも良いとはいえないと言われている。凍りついたおにぎりの対応とは似て非なるもののようだ。一番よいのは塩漬けにする可能性があるような株式売買をしないことだろう。

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